麻布学園の夏の風物詩である至大荘は、毎年7月下旬から8月上旬にかけて行われる中学1年生を対象とした臨海学校です。その起源は1907年(明治40年)にまで遡り、学園創設者である江渡狄嶺(えと てきれい)らの理念のもと、心身の鍛錬と自立心の育成を掲げてスタートしました。
「至大荘」という印象的な名称は、中国の古典『孟子』に登場する「我善養吾浩然之気(我れ善く我が浩然の気を養う)……其為気也、至大至剛(其の気たるや、至大至剛)」という一節に由来します。何ものにも屈しない広大で力強い精神力を養う場という意味が込められており、単なるレクリエーションとしての海水浴とは一線を画す厳格な伝統行事として位置づけられてきました。
東京湾を臨む千葉県勝浦市の興津海岸に専用宿舎を構え、1世紀以上の長きにわたり幾多の麻布生がこの地で海と向き合い、少年から青年へと脱皮するステップを踏んできました。