フロントマンであるはっとりが紡ぐ言葉には、文学的なレトリックと日常のリアルな吐露が共存しています。彼が描く世界観は、決して着飾った美談ではありません。ダサくて、情けなくて、それでも愛おしい人間の生身の感情。それが『ブルーベリー・ナイツ』という楽曲の背骨を形作っています。
名盤として語り継がれるミニアルバム『season』において、この曲は作品全体のドラマ性を決定づけるキーパーソンならぬ「キーソング」の役割を果たしていました。季節の移り変わりとともに変化する人の心、その中でも特に消し去ることのできない夜の記憶。はっとり自身のソングライティングにおけるターニングポイントであり、バンドの表現力が一気に覚醒した瞬間でもあったのです。