骨隆起は発生する部位によって名称が異なり、臨床的な特徴や日常生活への影響にも明確な差異があります。
上顎の天井部分(硬口蓋)の中央にできるものを口蓋隆起と呼びます。ドーム状や紡錘状に滑らかに盛り上がることが多く、本人が自覚しないまま長年経過することも少なくありません。一方、下顎の内側(舌側)、特に小臼歯の根元付近に左右対称に生じやすい突起を下顎隆起と呼びます。下顎隆起は舌の可動域を狭めるため、滑舌の悪化や食事中の違和感として自覚されやすい傾向があります。
骨隆起そのものは良性の生理的骨増殖であり、悪性腫瘍(癌)へ変化することはありません。そのため、生活上の支障がなければ経過観察が基本となりますが、以下のような放置リスクには注意を払う必要があります。
骨隆起の頂点部分は粘膜が極めて薄くなっているため、硬い煎餅やフランスパンなどの食品が衝突すると容易に傷つき、難治性の口内炎や潰瘍を形成します。また、将来的に部分入れ歯や総入れ歯を作製する際、骨の突起が入れ歯の床(ピンク色の樹脂部分)に強く当たり、激痛を引き起こして装着不能になる要因となります。