生協や料理教室の現場調査でも「生で食べたいが独特の苦味が苦手」という声は根強く存在します。しかし、調理科学に基づいた切り方と目利きを実践するだけで、苦味を劇的に抑えられます。
ピーマンの苦味は、苦味成分「クエルシトリン」に青臭い香り成分「ピラジン」が結合することで脳に強く感知されます。細胞を破壊すると両者が混ざり合って苦味を強く感じるため、ピーマンの苦味を消す切り方の鉄則は「繊維に沿った縦切り」です。
ヘタからお尻に向かって走る縦の繊維に沿って包丁を入れると、細胞の破壊を最小限に抑えられ、渋みや苦味の流出を防いで瑞々しい甘みを感じやすくなります。反対に、輪切りのように繊維を断ち切る横切りは、苦味を際立たせたい薬味用途以外では避けるのが賢明です。
スーパーの売り場で実践できる新鮮で苦くないピーマンの見分け方には、明確な3つの基準があります。
- ヘタの形と角数:ヘタの形が五角形のものより、六角形〜八角形になっているものは、養分が均等に行き渡り糖度が高く苦味が穏やか。
- 果皮のハリと色艶:表面にしわがなく、濃い均一な緑色で光沢があり、触れた際に弾力と硬さがある個体。
- 肩の盛り上がりとお尻の張り:ヘタの周囲(肩)がふっくらと盛り上がり、お尻の部分が尖りすぎず丸みを帯びているものは完熟度が高く食味が良い。