作者のつくしあきひと氏は、自身のSNSや各種インタビュー、配信イベント等でも独自のフェティシズムや美学を包み隠さず語ることで知られています。なぜ氏は、批判のリスクを冒してまで子供たちの生身の肉体や乳首、痛覚を生々しく描き出すのでしょうか。
その根底には、「痛みや肉体的な生々しさを排除しては、アビスの呪いと冒険の過酷さが嘘になってしまう」という徹底したリアリズムへのこだわりが存在します。衣服が破れ、泥にまみれ、体液を流しながらも前へ進むリコたちの姿は、無垢な身体のディテール(乳首や肌の質感)が精緻に描かれているからこそ、読者に強烈な「生命の重み」を体感させるのです。作者個人の強烈な性癖・フェチズムと、作品世界を成立させるリアリティが不可分に結びついている点こそが、本作の特異性と言えます。