首都圏から特急とバスを乗り継いで約3時間半。交通の便が良いとは言いがたい立地が、かえってクリエイターや起業家にとっての「ノイズのない聖域」として機能している。
古民家をリノベーションしたワークスペース「松崎の蔵」では、高速光回線と薪ストーブが同居する。午前中は駿河湾を臨む港でシーカヤックを楽しみ、午後は静寂のなかでコードを書く。そんなライフスタイルを選択する滞在者が増加中だ。町側も単なる観光客誘致ではなく、半年から数年単位で地域に根を下ろす「関係人口」の獲得に注力しており、空き家を活用したお試し移住の倍率は過去最高を記録している。