ネット上やファンの間で長年検索され続けている疑問が、綿引勝彦 子供の有無です。結論から述べると、綿引勝彦さんと樫山文枝さんの間に子供はいません。二人は46年間の長きにわたる結婚生活を、生涯夫婦水入らずの二人きりで過ごしました。
それにもかかわらず、「綿引勝彦には子供が大勢いるのではないか」「息子の俳優がいるのではないか」という噂が根強く囁かれた最大の理由は、1991年から1999年までTBS系列の愛の劇場枠で大ヒットした昼ドラマ『天までとどけ』の圧倒的な存在感にあります。綿引さんはこの作品で、故・岡江久美子さんとともに13人の子供を育てる大黒柱の父親・丸山雄平役を熱演しました。
「待てば海路の日和あり」を口癖に、時には雷を落とし、時には涙を流して子供たちを抱きしめる実直な父親像は、日本中の茶の間を虜にしました。ドラマのリアリティがあまりに突出していたため、「綿引勝彦=大家族の良き父親」というパブリックイメージが完全に定着し、実生活でも子だくさんであるという認知の錯覚が全国規模で生じたのです。
実生活において子供を持たなかった背景について、当時の関係者は「二人がそれぞれの役者人生を何よりも尊重し、表現者として自立した関係を貫いた結果の自然な選択だった」と証言しています。綿引さんは『天までとどけ』で共演した子役たちを実の子のように慈しみ、撮影終了後も彼らの成長を温かく見守り続けました。自らの血肉を分けた子供はいなくとも、彼の懐の深い愛情は多くの若い世代へと確かに注がれていたのです。