華やかな大階段の美しさとは対照的に、かつての司法のリアルを体感できる展示エリアも充実しています。
館内には、時代ごとの司法制度の変遷を伝える3つの法廷がリアルに復元されています。
- 明治時代の法廷:判事・検事・弁護士・書記が壇上に並び、被告人を見下ろす形で配置された「糾問主義」の空気を色濃く残す空間。当時の法服をまとった精巧な人形が配置されています。
- 大正・昭和初期の陪審法廷:かつて日本で実際に実施されていた陪審制度の法廷を再現。陪審員席が設けられ、開かれた裁判を目指した時代の息吹を感じられます。
- 現行の法廷:見学者自身が裁判官や弁護士の席に座り、記念撮影を行うことができる体験型スペース。
さらに見学順路を地下へ進むと、空気は一変します。かつて未決勾留者や被告人が収容されていた「地下留置場」が当時のまま保存・展示されています。厚い鉄扉、監視用の小窓、板張りの雑居房や独房(ブタ箱)の薄暗い空間は、建築の華やかさの裏にある「司法の影と厳罰の重み」を無言で伝えてきます。この光と影のコントラストこそが、本館が持つ最大の歴史的深みです。