彼女のキャリアにおいて、一つの大きな転機となったのが緊張感あふれる心理戦を描いた作品群だ。特に、夫を極限まで追い詰める美しき妻を怪演して大きな話題となった『僕のヤバイ妻』は、彼女の演技派としての評価を揺るぎないものにした。
この作品で見せた冷徹な計算と時折のぞかせる狂気は、日本のサスペンスドラマ史に強烈なインパクトを残した。綿密に張り巡らされた伏線と緊張感漂うセリフのやり取りの中で、微細な表情の変化だけで観客の心を揺さぶる表現力は圧巻の一言。現場では監督や共演者と何度も徹底したディスカッションを重ね、役にリアリティを吹き込んでいたという。テレビドラマの枠を超えたその熱量とこだわりが、作品全体のクオリティを劇的に引き上げる原動力となっていた。