南部鉄器のサビは体に有害?緑茶で簡単に復活させる職人直伝のお手入れ術とは一体何なのか? 背景や要点を整理してお届けします。

南部鉄器を扱う上で絶対に混同してはならないのが、「鉄瓶(てっぴん)」と「鉄急須(きゅうす)」の違いです。同じ黒い鋳鉄の外見をしていても、内部の構造と用途は全く異なります。

鉄瓶は、お湯を沸かすための道具であり、内側は生鉄の上に酸化皮膜を施した多孔質構造になっています。そのため、お湯に二価鉄が溶け出し、鉄分補給や白湯の甘みを生み出す効果があります。前述した緑茶での煮出し復活法が使えるのは、この「鉄瓶」のみです。

対して鉄急須は、お茶を淹れるための道具であり、直火にかけることはできません。内部はお手入れを簡単にするため「ホーロー加工(ガラス質の釉薬コーティング)」が施されています。ホーロー加工された急須は基本的にサビませんが、鉄分はお湯に溶け出しません。

注意すべきは、鉄急須のフチや注ぎ口、注ぎ口の付け根などにサビが出るケースです。これはホーローの端面や微細なひび割れから生じたものです。鉄急須を直火にかけて緑茶で煮出すと、ホーローが熱膨張で割れて破損する危険があります。急須のサビは、食用油を薄く塗布した布で軽く拭き取る程度にとどめるのが鉄則です。