日本コナモン協会の会長として粉もんの普及と継承に人生を捧げる熊谷真菜氏は、大阪の食の本質を「愛嬌とコミュニケーション」と表現する。どんなに洗練された素材を使っていようと、鉄板の前に漂う温もりや、店主と客の間に交わされる軽妙な掛け合いがなければ、それは真のなにわの味とは呼べない。
スマートフォンの画面に表示される『食べログ』の星の数だけを頼りに店を選ぶのは、あまりにも惜しい。真の極上店を見抜くヒントは、店先に立つ換気扇の油の染み具合、地元のお年寄りが昼下がりにビールを傾けている気配、そしてソースが鉄板に焦げ付く手入れの行き届いた鉄板の黒光りにある。数字のアルゴリズムでは測れない人間味こそが、最高のご当地グルメの証なのだ。