鳥取県といえば、平井伸治知事による「鳥取にはスタバはないですけれども、日本一のスナバ(鳥取砂丘)があります」という名言が社会現象となり、一大喫茶ブームが巻き起こった地です。世間の関心が「スターバックスの上陸なるか」に集中していた2014年8月、コメダ珈琲店は米子弓ヶ浜店をオープンさせ、静かに山陰攻略の布石を打ちました。
当時、名古屋発祥のフルサービス型喫茶が鳥取を選んだ出店理由について、チェーン本部の出店戦略データや経済アナリストの分析からは3つの明確なロジックが浮かび上がります。
- 車社会との親和性:ロードサイドに独立店舗を構え、広い駐車場からシームレスに入店できる構造が、自家用車移動を前提とする鳥取県民のライフスタイルに合致したこと。
- モーニング文化の受容力:鳥取県は古くから個人経営の個人喫茶店が根付く地域であり、朝に喫茶店で過ごす習慣を持つシニア層が厚かったこと。
- 「街のリビングルーム」としての需要:天候が変わりやすい日本海側気候において、高い間仕切りと赤いベロアソファでプライベート空間を確保できるサードプレイスが不足していたこと。
結果として、派手な話題性で先行した他チェーンとは一線を画し、日常利用の固定客をがっちり掴む戦略が功を奏しました。