昭和31年(1956年)の創業以来、宮崎の洋食文化を牽引してきた「味のおぐら」。タルタルソースを合わせた現代スタイルのチキン南蛮発祥の店として知られ、観光客の9割以上が名物のチキン南蛮を目当てに来店します。しかし、昭和から平成、そして2026年の現在に至るまで、地元客の心を掴んで離さないのが「若鶏の唐揚げ」です。
取材班が味のおぐら 本店(宮崎市橘通)および大箱でファミリー層の多い味のおぐら 瀬頭店で定点観察を行ったところ、昼時のピークタイムにおいて地元ビジネスパーソンや常連客の約3割が唐揚げ系メニューを注文している実態が判明しました。延岡エリアを拠点とする味のおぐら 出北店でも同様に、唐揚げに対する確固たる支持基盤が形成されています。
人気の最大の理由は、ひと口噛んだ瞬間に溢れ出す肉汁と、鼻腔を突き抜ける芳醇なニンニク・生姜の風味にあります。おぐらの厨房関係者の証言によると、「創業当時の洋食仕込みのブイヨン調味と、特製醤油に数種類の香味野菜と独自スパイスを漬け込んだ秘伝のタレ」が、一般的な大衆食堂の唐揚げとは一線を画す奥深いコクを生み出しているといいます。衣は過度な厚塗り感を排除した薄衣仕立てで、外側は軽快なクリスピー食感、内側は驚くほどふっくらとした仕上がりです。