緑色の肌に巨大な露出脳、仰々しいヘルメットとマントを纏い、くどい繰り返し話法が特徴のモジョ・ジョジョ。彼は単なるお笑い担当の悪役ではなく、映画版『パワーパフ ガールズ・ザ・ムービー』で明かされたその生い立ちは、涙を禁じ得ない哀切に満ちています。
モジョの正体は、かつてユートニウム博士が独身時代に飼っていたペットのチンパンジー「ジョジョ」です。当時のジョジョは非常にやんちゃで落ち着きがなく、博士の研究室でいたずらを繰り返すトラブルメーカーでした。あの日、博士が「お砂糖、スパイス、素敵なもの」を混ぜ合わせて理想の女の子を作ろうとしていたまさにその瞬間、背後から博士の腕を突き飛ばし、神秘の薬品ケミカルXを大釜に混入させた張本人こそがジョジョだったのです。
大爆発の衝撃によって、ジョジョの脳は異常肥大化して頭蓋骨を突き破り、超人的な知能を獲得しました。しかし、爆発の煙の向こうで博士の視界に飛び込んできたのは、完璧で愛らしい3人の女の子――ブロッサム、バブルス、バターカップでした。博士は誕生したガールズに夢中になり、突き飛ばされて頭から血を流すジョジョの存在に気づくことすらありませんでした。
自らの行動がガールズを生み出し、その結果として「最愛の育ての親(博士)の愛情を完全に奪われた」という残酷な現実。居場所を失い、雨の降る街へと孤独に逃げ出したジョジョが、やがて世界を憎むマッドサイエンティスト「モジョ・ジョジョ」へと変貌していく過程は、ギリシャ悲劇にも通じる愛憎のドラマです。彼が幾度となくガールズを倒そうとする動機の根底には、歪んだ形での「父の承認」への渇望が横たわっています。