耳管狭窄症の引き金は、ウイルス感染や花粉症といった目に見える身体的要因だけにとどまりません。近年の臨床現場で極めて重要視されているのが、「精神的ストレス」と「自律神経のアンバランス」です。
耳管の開閉は、口蓋帆張筋(こうがいはんちょうきん)や口蓋帆挙筋(こうがいはんきょきん)という咽頭深部の微細な筋肉によってミリ単位で制御されています。この筋肉群は自律神経の支配を強く受けています。過度なストレスや慢性的な睡眠不足に晒されると、交感神経が過剰に優位となり、咽頭周辺の筋肉が異常に緊張・硬直して耳管の正常な開閉反射が阻害されます。
さらに、デスクワークによる長時間のストレートネックや、無意識の食いしばり(ブラキシズム)による顎関節への過度な負担も、耳管周囲の血流を著しく低下させます。耳鼻咽喉科で鼻の炎症が見当たらないにもかかわらず耳閉感が取れない場合、こうした心身の過緊張や筋膜のコリが主因となっているケースが多発しています。