この分野の金字塔として世界中の研究機関が参照するのが、米国のバージニア大学知覚研究部門(DOPS)だ。精神科医のイアン・スティーヴンソン博士が1960年代に立ち上げたこのプロジェクトは、半世紀以上にわたって世界中から「前世を記憶する子どもたち」の事例を2500件以上収集し、徹底的な現地調査を行ってきた。
スティーヴンソン博士の手法は極めて厳格だった。子どもが語った内容を親が知る前に記録し、該当する故人の記録、検死報告書、家族へのインタビューと照合する。驚くべきことに、故人の致命傷と完全に一致する位置に先天的なアザや奇形(母斑・先天性欠損)を持つケースが多数確認された。
現在その研究を引き継ぐジム・タッカー教授もまた、小児精神医学の立場から精緻な調査を継続している。タッカー教授の研究チームは、子どもたちが語る記憶の信憑性を数値化するスコアリングシステムを開発し、嘘や親の思い込みを徹底的に排除した。その結果、アジアだけでなく欧米の一般的な家庭でも同様の事例が確認され、文化的刷り込み論を覆す証拠が積み上がっている。