日本の歴史において、この制度が最も組織化され洗練された形となったのが江戸城の「大奥」だ。時代劇や歴史映画の定番テーマである大奥は、将軍家という絶対的な血統を守るための巨大な後宮組織であり、数多くの女性たちが厳格な身分階級の中で暮らしていた。
戦国時代を勝ち抜き江戸幕府を開いた徳川家康も、多数の側室を抱えたことで知られる。徳川家康にとっての側室は、単なる寵愛の対象にとどまらず、有力武将との同盟関係を強化する政治的ツールであり、同時に数多くの男子を儲けて徳川の血筋を強固にするための国家戦略そのものであった。NHKの大河ドラマなどで描かれる徳川家康の正妻や側室たちの確執と葛藤の物語は、家父長制の頂点に位置する最高権力者とそれを支えた女性たちの複雑な人間模様を現代に伝えている。