対日外交の大胆な転換を打ち出した尹錫悦大統領と、それに応じる形でシャトル外交を復活させた岸田文雄首相。両首脳が築いた政治的信頼の土台は、国際政治・外交の文脈において大きな地殻変動を引き起こした。
かつて冷え込みの極みにあった二国間関係が、首脳同士の直談判によって一気に氷解したプロセスの意義は大きい。しかし、個人の政治的決断に依存した関係改善は、政権交代や内政の揺らぎによって容易に破綻しかねない脆さを孕んでいる。両首脳が遺した最大の実績は、首脳間の関係性にとどまらず、制度としての協力基盤をいかに両国社会に定着させられるかという踏み絵を次世代の指導者たちに突きつけた点にある。