ネット上の掲示板やSNSでは、今なお「三菱の車は壊れやすいのではないか」という不安の声が散見されます。しかし、現代の自動車工学と生産現場のデータを検証すると、この噂と客観的事実との間には著しい乖離が存在します。
結論から言えば、三菱の車が壊れやすいという噂は、過去の不祥事の記憶が「製品自体の低品質」へとすり替えられた典型的な認知の歪みです。第三者機関による初期品質調査(IQS)や耐久品質調査(VDS)のデータを見ても、現在の三菱車が他メーカーと比較して故障率が突出して高いという統計的根拠は一切存在しません。
転換点となったのは、2016年に日産・ルノーとのアライアンス(企業連合)に参入したことです。共通プラットフォームの採用や調達コストの最適化、そして何よりグローバル水準の厳格な品質管理システムが導入されたことで、三菱自動車の復活と現在の生産体制は完全に生まれ変わりました。電子制御系やシャシー剛性、塗装品質に至るまで、欧州基準の過酷なテストをクリアした設計が標準化されています。
かつてのリコール隠しを徹底的に反省し、現在では軽微な不具合であっても極めて迅速かつ透明性の高い自主改善・リコール届出を行う体制へとシフトしています。現場を取材する自動車ジャーナリストの間でも、「今の三菱車を故障不安だけで敬遠するのは、20年前の亡霊に怯えているようなもの」というのが共通した見解です。