2人の信頼関係の根底を理解するには、1990年代の結婚の馴れ初めに立ち返る必要があります。出会いのきっかけは、イチローがオリックス・ブルーウェーブ時代に出演していたTBSラジオ『イチローの気まぐれラジオ』(1995年〜)でした。当時TBSの看板アナウンサーとしてアシスタントを務めていた福島弓子さんの機転の利いた受け答えと聡明さに、イチローが全幅の信頼を寄せるようになったことが交際の原点です。
1999年1月、イチローは弓子さんへ正式にプロポーズを行い、同年12月にアメリカ・ロサンゼルス近郊のサンタモニカで挙式を行いました。会見でイチローは「話をしてみて、価値観や感覚が同じだと感じることが多かった」と語り、8歳年上の姉さん女房として精神的な支柱であることを公言しています。
現在のイチローの家族構成は、イチローと弓子夫人の2人です。そして、2人にとって実の子供以上の存在として愛されたのが、柴犬の「一弓(いっきゅう)」でした。2001年のメジャー挑戦時からシアトルの家庭を支え続けた一弓は、17歳7か月という長寿を全うして2019年秋に天国へと旅立ちました。引退会見でも「妻と一弓には感謝しかない」と涙ぐんだように、夫妻にとって一弓と過ごした年月は、何物にも代えがたい「家族の絆」そのものでした。