現地調査や自動撮影カメラのデータ、鳥獣保護員の現場確認などを総合すると、生駒山系で寄せられるクマ目撃情報のほとんどは「大型のニホンイノシシ」を見間違えたケースであることが判明しています。
生駒山にはイノシシが多数生息しており、成獣になると体重100キログラム近くに達する巨大な個体も珍しくありません。特に以下のような悪条件下では、視界の錯覚が生じやすくなります。
・早朝や夕暮れ時の薄暗い登山道や鬱蒼とした竹林
・泥浴び(ぬた場)直後で全身が濡れ、真っ黒に見えるイノシシの体毛
・藪(やぶ)の中をガサガサと音を立てて激しく移動するシルエット
遠目や咄嗟の遭遇では、黒く丸みを帯びた大型獣の背中がツキノワグマのように見えてしまう心理的バイアスが働きます。また、近年では迷い込んだニホンカモシカや大型の黒い野犬、アライグマの後ろ姿をクマと誤認した事例も報告されており、これが「目撃の真相」の大部分を占めています。