サエコという人物は、従来の「男受けを狙う嫌な女子」というステレオタイプを真っ向から破壊した。彼女の凄みは、自分の魅力を客観的に分析し、ミリ単位で最適化されたパフォーマンスとして提示できるプロフェッショナリズムにある。
上目遣いの角度、グラスを持つ指先の曲線、そして相手の心を絶妙に揺さぶる言葉選び。石原さとみは、漫画原作の持つファンタジーな世界観をリアリティあふれる肉体美学へと見事に昇華させた。彼女が演じたからこそ、サエコは単なる「計算高い女」ではなく、己の欲求に素直で自立した魅惑的なヒロインとして結実したのだ。