伝統ある歌舞伎界を牽引するリーダーが、なぜ両親を巻き込んだ心中という最悪の選択をしてしまったのか。その引き金となったのは、まさに事件当日の朝に発売された『女性セブン』によるハラスメント疑惑の告発記事でした。
猿之助は舞台の座長として絶大な権力を持っており、弟子やスタッフに対する過度なスキンシップやパワハラ行為があったと報じられました。公判における供述によると、猿之助はこの報道によって「これまでの自分の立場がすべて崩れ去り、歌舞伎界にも居場所がなくなる」と絶望。名門「澤瀉屋(おもだかや)」の名誉を傷つけ、両親にも耐え難い苦痛を与えると思い詰めた結果、突発的に死を選んだと述べています。
しかし、自らの判断で両親に向精神薬を投与し、意識を失った両親の顔にビニール袋をかぶせるなどの行為を手助けした事実は、法的に自殺幇助罪(刑法202条)に該当します。自死の意思表示があったとしても、親の命を絶つ手助けをした責任は極めて重く、警察による厳格な捜査と逮捕へとつながりました。