ネット上では「何をやっても愛される天性の勝ち組」「苦労知らずのヒロイン」と捉えられがちですが、実態は大きく異なります。彼女のキャリアを深掘りすると、20代半ばに訪れた深刻なアイデンティティクライシス(自己喪失)を乗り越えた歴史が存在します。
デビュー以来、マネージャーやプロデューサーの指示通りに髪型やセリフ、振る舞いを決めていた彼女は、23歳の頃、長年続いた雑誌の連載やラジオ番組のレギュラーが一度に終了するという苦境に直面しました。「自分は誰からも必要とされていないのではないか」と追い詰められた彼女は、単身ニューヨークへ1ヶ月間の休暇に出ました。
そこで自分の着る服や食べるものを初めて自らの意思で選ぶ経験をし、他人の評価ではなく「自分が本当に好きかどうか」を基準に生きる覚悟を決めたと、後のロングインタビューで回顧しています。帰国後にドラマのメイクや衣装を自ら研究・提案するようになり、そこから生まれたのが社会現象となった『失恋ショコラティエ』などの小悪魔的魅力でした。彼女の放つ眩しいオーラは、敷かれたレールを捨て、自己決定によって自らの足で歩み直した挫折の裏打ちがあるからこそ、多くの大人の女性の胸を打つのです。