彼の原点を語る上で避けて通れないのが、『仮面ライダー鎧武/ガイム』で演じた呉島光実役だ。純真な少年が疑心暗鬼と狂気へと堕ちていくグラデーションを、当時10代だった彼が見事に体現し、特撮ファンのみならず批評家たちを震撼させた。光と影を瞬時に反転させる危うい色香。その天性の才は、キャリア初期からすでに開花していた。
その変幻自在ぶりを決定づけたのが、大河ドラマ『光る君へ』における藤原惟規役だ。紫式部の弟として、どこか飄々としながらも家族を深く思いやる愛されキャラを軽妙洒脱に演じきり、日曜夜のお茶の間を温かく包み込んだ。張り詰めたシリアスから肩の力が抜けた日常劇まで、演じるキャラクターの呼吸そのものを憑依させる。カメレオン俳優と呼ばれる所以がここにある。