現代の日本映画を語る上で欠かせない存在が、巨匠・是枝裕和監督と、世界的人気を誇る名優・役所広司です。是枝監督が長年培ってきた「人間の生々しい感情を掬い取る視線」と、役所広司の圧倒的な存在感が交錯するとき、スクリーンには唯一無二の熱量が宿ります。
その到達点のひとつと言えるのが、ヴィム・ヴェンダース監督がメガホンを取り、役所広司が主演を務めてカンヌ国際映画祭男優賞に輝いた『PERFECT DAYS』です。東京・渋谷の公共トイレ清掃員としての日常を淡々と、しかし美しく描いた本作は、日々の暮らしのなかに潜む愛おしさを浮き彫りにしました。是枝裕和監督をはじめとする日本を代表するクリエイターたちが切り開いた地平は、世界の映画人たちにも多大な影響を与えています。セリフを極限まで削ぎ落とし、眼差しや佇まいだけで人生の重みを表現する演技力は、観る者の胸を強く揺さぶります。