インターネット上の掲示板や知恵袋、一部の古い占い本などで頻繁に見受けられるのが「男性は左手、女性は右手で見るのが正しい」という説です。この「手相男性女性どっちの手」という性別基準論は、現代のプロフェッショナルな鑑定現場では基本的に採用されていません。
この俗説の発祥は、古代中国の易学や東洋医学の根底にある「男左女右(なんさせにょゆう)」という陰陽思想にあります。古来、東洋思想では男性を「陽(天・左)」、女性を「陰(地・右)」と位置づけて儀礼や医学的診察を行っていたため、その概念が昭和期の街頭手相占いなどにそのまま持ち込まれました。
しかし、西洋手相術(キロマンス)をベースに解剖学や心理学を統合した現代の手相学では、性差による固定的な左右分けは非合理と判断されています。男女問わず、誰もが「持って生まれた資質(先天運)」と「生きていく中で培った力(後天運)」の両方を持っており、片手だけで全体像を断定することは鑑定精度を著しく落とす原因となります。