日本国内の有力企業のトップ、および世界の経営陣と比較することで、孫氏の報酬体系の特殊性がより浮き彫りになります。以下の表は、国内主要経営陣の報酬形態、配当規模、および総資産の構造を比較したものです。
他社経営者年俸比較を行うと、武田薬品工業のクリストフ・ウェバー氏のように、保有株は少ないものの業績連動報酬として20億円前後の年俸を受け取る「欧米型プロ経営者」が存在します。対照的に、孫氏やファーストリテイリングの柳井正氏は「オーナー創業者型」であり、役員報酬の多寡は自身の資産形成にほとんど何の影響も及ぼしていません。
日本長者番付ランキング(Forbes等)においても、孫正義氏は常に柳井氏とトップの座を争い続けています。孫正義総資産推移を振り返ると、2000年のITバブル期には一時的にビル・ゲイツ氏を抜き世界一の富豪になった瞬間もありました。その後、バブル崩壊で資産の99%を失うどん底を経験しながらも、アリババへの投資成功、英Arm(アーム)の買収、そして生成AIブームに伴うArmの再上場と株価急騰によって、直近でも3兆円から4兆円台中盤の資産規模を誇っています。資産のほぼすべてが「保有株式の時価」と連動しているため、孫氏の富は日々数百億円単位でダイナミックに変動しています。