年収200億円超という現金の流入がある一方で、孫正義氏の保有する「純資産」は歴史的なジェットコースターを描いてきました。ここを理解せずして彼の経済的立ち位置を正確に把握することはできません。
これまでの孫正義 経歴と年収推移まとめを振り返ると、極端な振れ幅の歴史であることがわかります。2000年のITバブル絶頂期、孫氏の総資産は一時的にビル・ゲイツ氏を抜き「3日間だけ世界一の富豪になった」という逸話は広く知られています。しかし直後のバブル崩壊で資産の99%が蒸発。そこから中国のアリババ集団への出資や日本国内のボーダフォン買収劇を成功させ、見事なV字回復を遂げました。
直近の激動を左右したのが、10兆円規模を投じた「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の成否です。孫正義 ビジョンファンド 業績影響は絶大で、米国の金利引き上げやハイテク株の暴落局面だった2021〜2022年には、ファンド事業で数兆円規模の巨額赤字を計上。この時期、孫氏個人の孫正義 総資産推移も2兆円台前半まで急激に目減りしました。一時は「SBGは破綻するのではないか」「巨額の有利子負債で沈没する」と市場から激しい逆風を浴びたほどです。
しかし、ドラマはそこで終わりませんでした。虎の子であった英半導体設計大手アーム(Arm)の米国ナスダック再上場を成功させ、生成AIブームの波に乗って同社の時価総額は急騰。さらにアリババ株の現金化や負債圧縮を着実に進めた結果、ソフトバンクグループの保有株式価値(NAV)は再び跳ね上がり、2026年時点における孫正義氏の総資産は4兆円〜5兆円規模へと再び回復を遂げました。この資産の乱高下こそが、サラリーマン社長とは根本的に異なる「資本の海に生きるリスクテイカー」の宿命です。