日本の野球音楽を語るうえで、昭和の偉大な作曲家・古関裕而の存在を避けて通ることはできない。彼が遺した楽曲は、時代を隔てた今なお球場の空気を一瞬で変える力を持つ。
代表格と言えるのが、阪神タイガースの球団歌として愛される「六甲おろし」(正式名称:阪神タイガースの歌)だ。1936年の球団創設時に制作されたこの楽曲は、力強いマーチ調の旋律と誇り高き歌詞で、世代を超えたファンを繋ぐ魂のアンセムとなっている。また、夏の全国高校野球選手権大会の大会歌「栄冠は君に輝く」も古関の手によるものだ。敗者への温かい眼差しと挑戦者を讃える崇高なメロディは、球児のみならずスタンドで声を枯らす全ての人々の胸を打ち続けている。