2000年代半ばに大ベストセラーとなった『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田真哉著)では、竿竹屋の経済合理性が分かりやすく解説されました。単価が低く、めったに買い替えない物干し竿を売るだけで生計を立てられるのかという疑問に対し、著者は以下の構造を指摘しています。
- 本業とのシナジー(副業モデル):竿竹屋の多くは本業として地域に根ざした金物屋や建具屋、リフォーム業を営んでおり、商品の配達や現場移動の「ついで」に竿を積んで巡回していた。
- 在庫リスクの低さ:竹や金属パイプは腐敗や流行遅れによる廃棄リスクが極めて低く、保管コストがほとんどかからない。
- 高単価商品のクロスセル:竿をきっかけに顧客宅へ入り込み、高額な物干し台の修理、トタン屋根の補修、波板の張り替え工事などを請け負うことで利益を出していた。
このように、正当なビジネスとしての竿竹屋は「固定費を極限まで削り、他事業のついでに営業する」という緻密な計算の上に成り立っていました。しかし、町場の金物店が激減した現代において、純粋にこのモデルで巡回している業者はごく少数派となっています。