インターネット上のDIY情報やSNSの投稿では、「外壁のひび割れにはホームセンターのシリコンシーラントを上から塗り込めば十分」といった安易な言説が散見されます。しかし、現場のプロから見ればこれは重大な事故を引き起こしかねない誤った対処法です。
第1の誤解は「表面シーリングによる雨水の閉じ込め」です。すでに内部へ雨水が侵入している状態でクラックの表面だけをコーキングで塞ぐと、内部に滞留した水分の逃げ道がなくなり、壁体内部で木材の腐食やシロアリ被害が加速します。
第2の誤解は「使用するコーキング材の選定ミス」です。安価で手に入りやすいシリコン系シーリング材を使うと、シリコンオイルが表面にブリード(滲み出し)し、その上に外壁塗装を施しても塗料を激しく弾いて定着しなくなります。専門業者がモルタル外壁クラック補修を行う際は、必ず変成シリコン系やポリウレタン系、あるいは微弾性フィラーを用います。
第3の誤解は「基礎の化粧モルタル割れと躯体割れの混同」です。基礎の表面に塗られた薄い「化粧モルタル」だけに生じたヘアクラックであれば建物の構造耐力に影響はありませんが、一般の家主が目視だけで躯体コンクリートまで達しているか否かを正確に見極めるのは極めて困難です。