グローバルな知の枠組みにおいても、寛容の再定義が進んでいる。国連教育科学文化機関(ユネスコ)は1995年に「寛容原則宣言」を採択し、寛容とは人権と基本的人権の尊重に基づく積極的な態度であると定めた。単なる容認ではなく、多様な文化や表現形態を肯定する正義の追求として捉えられている。
現場で人権擁護に奔走する国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルなども、ヘイトスピーチや差別的法制に対抗するための基準として寛容の理念を提示し続けている。個人の内心の自由を尊重しながらも、他者の尊厳を侵害する言動には断固として反対する。この世界基準のバランス感覚は、私たちが身近な人間関係を整理する上でも極めて示唆に富んでいる。