『無職転生』の世界において、歴史の教科書に記された「魔神ラプラス」の姿は、人族を虐殺しようとした残虐な侵略者に過ぎません。しかし、神話時代を記した『古龍の昔話』で明かされた正体は、初代龍神に仕えた屈強にして心優しき側近「魔竜王ラプラス」です。龍族と悪魔族の混血として生を受け、初代龍神から絶大な信頼を寄せられていた最高幹部でした。
彼が生涯を懸けて果たそうとした真の目的は、初代龍神の遺言に従い、まだ幼子であった龍神オルステッドを遥か未来へと送り届けて守護し、黒幕である人神(ヒトガミ)を滅ぼすことでした。人神によって滅亡に追いやられた龍世界と主君の無念を晴らすべく、ラプラスは途方もない年月をかけて打倒ヒトガミの研究と準備を進めていたのです。
悲劇の引き金となったのは、第二次人魔大戦の最中におけるヒトガミの狡猾な罠でした。ヒトガミの使徒として操られた闘神鎧装備のバディガーディと激突したラプラスは、激戦の末に相打ちとなり、肉体と魂を真っ二つに両断されてしまいます。この致命的な破壊によって、彼の存在は記憶と能力が欠落した「2つの半身」へと分裂しました。
【技神ラプラス】
戦いの技術、知識、そして「技を後世に伝承する」という使命感だけを受け継いだ半身。しかし、人神打倒の動機となる重要な記憶の大半と膨大な魔力を失い、現在は山奥に隠遁しながら技の研究を続けています。彼が武術の指標として定めたのが「七大列強」の石碑です。
【魔神ラプラス】
規格外の膨大な魔力と強靭な肉体、そして「ヒトガミへの激しい憎悪」を受け継いだ半身。しかし、記憶が完全に崩壊していたため、魂に刻まれた「ヒトへの憎悪」が狂気によって「人族全体への皆殺しの衝動」へと誤変換されてしまいました。こうして生まれたのが、約400年前の「ラプラス戦役」で世界を血に染めた魔神です。