篠田麻里子の女優人生において、最大のターニングポイントとなった作品が2024年1月期に放送された土曜ナイトドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(テレビ朝日系)です。本作は、放送作家・鈴木おさむが地上波連ドラの脚本引退作として手掛けたブラックコメディ&サスペンスで、放送開始前から異例の注目を集めていました。
篠田麻里子が演じたのは、伊藤淳史演じる主人公・岡谷渉を裏切り、小池徹平演じる芸能事務所統括マネージャー・司馬マサトと過激な不倫関係に溺れる悪嫁・岡谷綾香役でした。放送初回までヒロインのキャスト名が伏せられる異例の演出が取られ、画面に彼女が登場した瞬間のインパクトはSNSを中心に凄まじい反響を巻き起こしました。
業界関係者や当時の特番インタビューの証言によると、この体当たり演技を引き受けた理由には、彼女自身の強い覚悟がありました。当時、私生活の離婚騒動などを経てタレントイメージの再構築を迫られていた篠田麻里子に対し、鈴木おさむが直接「この役を演じきれば、必ず女優としての道が拓ける」と熱烈なオファーを提示。彼女自身も「失うものは何もない。すべてをさらけ出して役者として勝負する」という背水の陣の覚悟でオファーを快諾したと報じられています。
劇中で見せた鈴を使った過激な情事シーンや、狂気を帯びた表情の芝居は視聴者に大きな衝撃を与え、TVer・ABEMAを合わせた見逃し配信の総再生数は第1話だけで350万回を突破、全話累計では3,000万回再生を超える大記録を樹立しました。スキャンダルを逆手に取ったかのような覚悟の怪演は、単なる話題作りを超えて彼女の女優魂を世に知らしめる結果となりました。