逆風が吹き荒れる一方で、これらを失われゆく貴重な景観として捉え直す視線も生まれている。編集者であり写真家の都築響一が早くから着目し、名もなき街道の風景として切り取ってきたように、そこには昭和から平成初期にかけての独自の生活感覚と猥雑さが色濃く刻まれている。レトロ自販機が並ぶオートレストランが若者やツーリング客の観光スポットとして賑わう昨今、こうした自販機小屋もまた、昭和レトロ文化の周縁に位置するディープな遺産として記録されるようになった。
NHKの『ドキュメント72時間』が捉えるような、深夜にひっそりと集う人々の交差点としての役割。そこには誰にも邪魔されず、匿名性のなかで小さな非日常を買い求める孤独な個人の姿があった。ノスタルジーとして消費されることへの気恥ずかしさを抱えながらも、機械が完全に沈黙するその瞬間まで、闇夜に浮かぶ赤い光は、かつて確かに存在した日本の路地裏カルチャーの残光を放ち続けている。 (出典: エロ 本 自販機(Yahoo!ニュース))
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