性行為という特異な環境下で命を落とす事態は、決して都市伝説ではない。医学的に分析すると、主な死因として挙げられるのが急性心筋梗塞やくも膜下出血といった、緊急を要する循環器・脳神経系の疾患だ。脈拍の急上昇や血圧の跳ね上がりに伴い、冠動脈の破裂や脳動脈瘤の破裂が誘発される。
日本循環器学会のガイドラインや法医学の解剖データによれば、発症者の多くは中高年男性に偏っているものの、若年層でも持病の不整脈や未診断の血管病変が原因で発症するケースが報告されている。特に過度のアルコール摂取や過労、不慣れな環境やパートナーとの関係における精神的ストレスは、血管床を著しく収縮させる危険因子だ。
厚生労働省の人口動態統計などでも突然死の一定割合は自宅や宿泊施設で発生している。性行為中の心拍数は、階段を2階分駆け上がる程度の上昇を示すとされるが、感情の昂ぶりがそこに加わることで、心筋への酸素供給が追いつかなくなる。早期確認とリスクの認識が、不慮の事態を未然に回避する絶対条件だ。