長期シリーズならではの撮影秘話も興味深い。現場では東山紀之の徹底した体調管理と脚本への深い洞察が知られており、セリフの細かなニュアンスひとつにまでキャスト同士で綿密なディスカッションが重ねられていた。特にシーズン9で見せた、各話でメンバーそれぞれが直面する過去と対峙する構成は、予定調和を嫌う脚本陣の挑戦だった。
伏線を張り巡らせた緻密な構成と、人間の割り切れない感情を丁寧にすくい取る描写。単に事件をスピード解決するカタルシスではなく、被害者や遺族の心に寄り添い、時に切ない余韻を残すエンディングを選び取ってきたことこそ、本作が長きにわたって愛される理由である。