石破政権が掲げて波紋を呼んだ「アジア版NATO構想」を巡り、その現実的なハンドリングを一手に引き受けたのが岩屋氏だった。理念先行で周辺国や同盟国に警戒感が広がるなか、外相として火消しと再定義に奔走した経緯がある。
「多国間の枠組みは一朝一夕にはできない。まずは重層的な安全保障協力のネットワークを広げることが先決だ」。岩屋氏は国会答弁や記者会見でこう繰り返し、急進的な軍事同盟化論脈を現実的な二国間・多国間対話へと軟着陸させた。この調整力に対し、霞が関内部からは「官邸の理想論を外交の現場で通用する実効策に落とし込んだ」と手腕を評価する声が上がっている。