異彩の絵師・金子國義が描く退廃美の極致:アリスからHydeまでの注目ポイントを分かりやすくまとめてご紹介します。

その筆先から染み出すのは、単なる官能ではない。生と死、聖と邪が背中合わせに存在する特異な美の領域だ。彼が提示したゴシック・エロティシズムは、日本の美術・出版業界に未曾有の衝撃を与えた。ヨーロッパの古典絵画技法をベースにしながらも、どこか東洋的な陰翳と現代のデカダンスを同居させた作風は、当時の画壇におけるどの流派にも属さない唯一無二のものだった。

少女の輪郭をなぞる繊細な線描、そして退廃的な室内を彩る重厚な色彩。彼の作品におけるエロスは、露悪的なものではなく、徹底された美意識によって磨き上げられた純粋な耽美主義の結晶である。見る者はその絵の前で、己の内に潜む禁忌の願望と対峙することになる。