役所広司主演『抜苦与楽』解禁!白石和彌が放つ魂のサスペンスの概要と注目ポイントを徹底的にカバーしました。

本作でメガホンをとるのは、凶暴な人間の業を描かせたら右に出る者はいない監督の白石和彌だ。過激で狂おしい描写の裏に、常に人間の愛おしさを忍ばせてきた彼が今回挑んだのは、古典的な仏教哲学の概念を核に据えた極上のサスペンス映画である。善と悪の境界線が曖昧になる現代において、人間の救済とは何か。監督の鋭利な視点が、観客の胸元に容赦なく突き立てられる。

「抜苦与楽」という言葉は、他者の苦しみを取り除き、喜びを与えるという慈悲の精神を意味する。しかし、白石監督はその美しい概念をあえて裏返し、苦痛を取り除くための過激な代償というダークな切り口で描き出した。スクリーンに立ち込める異様な緊張感は、一見の価値がある。