本作のクオリティを決定づけたのは、主演陣の阿吽の呼吸と、劇場版ゲストとして立ちはだかったキャスト陣の圧倒的な存在感です。
三橋役の賀来賢人は、当時の特番インタビューや舞台挨拶において「ドラマ版で培ったチームのグルーヴ感を壊さず、映画としてスケールアップした敵をどう迎えるかが最大の勝負だった」と述懐しています。伊藤健太郎とのコンビネーションは一層研ぎ澄まされ、アドリブの掛け合いからシリアスなアクションへのスイッチングは見事と言うほかありません。
そして何より、劇場版のトーンを支配したのが柳鋭次を演じた柳楽優弥の怪演です。長髪を振り乱し、銀のバタフライナイフを弄びながら冷酷非情な暴力を振るう柳のキャラクターは、従来のコミカルな世界観に本物の危険な匂いを持ち込みました。現場関係者の証言によると、柳楽は福田監督から「とにかく三橋たちが本気でビビるような、底知れない狂気を出してほしい」とオーダーを受け、徹底した役作りで撮影現場の空気を引き締めたと伝えられています。
さらに、大嶽役の栄信が見せた圧倒的な体躯による肉弾戦、今井勝俊役の仲野太賀や谷川安夫役の矢本悠馬が織りなす極上のコメディリリーフ、ムロツヨシや佐藤二朗による予測不能なアドリブ合戦など、キャスト陣一人ひとりのポテンシャルが120分の中に凝縮されています。