彼女の歩みを振り返る上で、長年所属した名門・田辺エージェンシーでの時代は極めて大きな意味を持つ。数々のタレントを育て上げた盤石の環境の中で、アイドルから俳優への脱皮という、芸能界でも屈指の難関を見事にクリアした。バラエティや舞台で鍛え上げられた度胸と勘の良さは、当時の経験によって研ぎ澄まされたものだ。
独立以降の活動スタイルには、自らの表現に対する責任と自由への渇望がより色濃く反映されている。オファーされる役をただ待つのではなく、脚本の持つ精神性やクリエイターの熱量に共鳴できるかを厳密に見極める。表現者としての主権を自ら握り直したことで、近年の彼女の演技には、より一層の伸びやかさと凄みが加わった。