遺産分割以上に感情的な軋轢を招いたのが、宇津井健さんの遺骨をどこに納めるかという墓所問題でした。東京都内の寺院には、宇津井家代々の墓があり、そこには闘病の末に先立たれた前妻・友里恵さんが眠っています。
通夜と密葬は名古屋で文恵さんが喪主を務めて執り行われ、東京での本葬やお別れの会では長男の隆氏が主導する形が取られました。その過程で、「前妻と同じ墓所に後妻が納骨することを認めるのか」「分骨して名古屋にも墓所を構えるべきか」というデリケートな議論が紛糾しました。
当時のお別れの会の現場で取材陣が目撃した空気感は、張り詰めた緊張感に包まれていました。関係者のひとりは「隆さんにとっては、母の思い出が詰まった宇津井家の墓に、亡くなる数時間前に籍を入れた女性が関わることへの心理的抵抗があったのは否定できない」と語っています。
最終的に、宇津井健さんの本骨は東京の宇津井家の墓所に納められ、一部が文恵さんの手元に分骨される形で一応の決着を見ました。文恵さんは周囲に対し「私は健さんを無事にお送りできただけで満足。宇津井家の歴史を壊すつもりはありません」と漏らしており、名門クラブのママとして培った引き際の美学を貫いた形となりました。