異国情緒が漂う横浜中華街。その中心部に暖簾を掲げる「生香園(せいこうえん)」は、今や観光客だけでなく地元の舌の肥えた食通たちにとっても外せない名店であり続けている。ここで提供されるのは、素材の持ち味を最大限に引き出す伝統的な広東料理だ。激変する現代の飲食業界にあって、流行に流されない揺るぎない味覚の骨格がここにはある。
本格的な中華料理といえば豪快な火力が注目されがちだが、生香園の真骨頂は繊細なスープと絶妙な火加減のコントロールにある。海鮮の旨味を凝縮させたスープや、野菜のしゃっきりした食感を残す絶妙な炒め技。厨房を守る周富輝のこだわりは、皿の隅々にまで生きている。時代が変わっても「美味いものを腹いっぱい食べてほしい」という創業以来の精神は、少しも揺らいでいない。