早川家住宅のルーツを辿ると、江戸時代の宿場町や城下町で地域の経済を支えた豪商の歴史に行き当たります。岐阜県恵那市岩村町に現存する国指定重要文化財「旧早川家住宅」をはじめ、愛知県の一宮市などに残る登録有形文化財の早川家住宅など、各地の早川家は酒造業、薬種商、両替商といった多角的な商業活動で名を馳せました。
特に岩村城下町の早川家は、江戸時代末期の天保年間に建てられた主屋を中心に、幕末から明治にかけて順次拡張された大規模な屋敷構えを誇ります。当時の町家建築の典型を残しつつ、藩の財政をも支えた格式の高さが随所に反映されています。
明治維新や戦後の社会変革という幾多の荒波を乗り越え、建物だけでなく当時の家財道具や商売道具、古文書類が大切に保管されてきた点も、早川家住宅が持つ極めて高い歴史的価値の一つです。