歴史ファンやSNS上で語られる戦国時代の食については、いくつかの根強い誤解が存在します。
誤解1:「戦国時代の武将は毎日肉を食べていなかったから貧弱だった?」
仏教の影響による肉食忌避が知られていますが、戦国武将は完全に肉を断っていたわけではありません。「薬喰い(くすりぐい)」と称して猪(山鯨)や鹿、鳥類を滋養強壮のために食していました。さらに、発酵食品である味噌や納豆、干魚から質の高いアミノ酸を日常的に摂取しており、現代人よりもはるかに強靭な骨密度と筋力を持っていたことが近年の古人骨調査でも実証されています。
誤解2:「陣中食は常に美味しくない粗食を我慢して食べていた?」
陣中料理の真相を追うと、戦場での士気向上を狙った工夫が随所に見られます。現地の新鮮な食材を大鍋で煮込む「陣中鍋」は、豚汁や芋煮のルーツとも言われており、温かい汁物は兵士の極度の緊張を解きほぐす精神安定剤としての役割を果たしていました。