日常会話では「爪の横が化膿した状態」全般を指して「ひょうそ(瘭疽)」と呼ぶことが多いですが、医学的には進行度と感染の深さに違いがあります。
ひょうそと爪周囲炎の違いを整理すると、爪周囲炎が「爪の周囲の皮膚(表層)」にとどまる炎症であるのに対し、ひょうそは感染が指の腹側や皮下組織の深部、腱鞘(けんしょう)にまで波及した重度な化膿性炎症を指します。
放置して感染が奥深くまで達すると、以下のような深刻なリスクが生じます。
- 爪母(そうぼ:爪を作る根元)がダメージを受け、爪が変形・脱落する
- 指の曲げ伸ばしをつかさどる腱鞘炎を引き起こし、指が動かしにくくなる
- 骨髄炎(骨の感染症)や蜂窩織炎(ほうかしきえん)へと広がる
「たかが指先の腫れ」と軽視して放置すると、爪周囲炎の自然治癒を期待するのは難しくなり、治療期間が大幅に延びてしまいます。指先全体がパンパンに腫れ上がったり、夜間に痛みで目が覚めるような状態は、すでにひょうその段階へ進行している危険信号です。