本作の評価を二分する最大の要因は、高橋一生が演じた元カレ・我聞慎二のキャラクター性にある。外面は完璧なエリートサラリーマンでありながら、凪の前では執拗なまでに精神的マウントを取り、暴言を吐き散らす。かつては、彼が陰で子供のように号泣する姿に「不器用な愛」を見出すファンも多かった。しかし、人間関係における心理的安全性(サイコロジカル・セーフティ)が叫ばれる昨今、彼の行動は明確な「モラルハラスメント」として分類される。愛情表現という免罪符で暴力的な言動を覆い隠す描写に対し、拒絶反応を示す視聴者が増えるのは当然の帰結かもしれない。
「凪のお暇」再評価の嵐の中で囁かれる異論。なぜ今、あの名作に「不快感」を抱く人が急増しているのか?