GoogleやYahoo!の検索サジェストにおいて、「中村嘉葎雄」と入力すると「病気 真相」「生存確認」「死去」といった不穏な単語が並ぶことがあります。これらは事実無根の憶測であり、現在も存命であることが確認されていますが、なぜこうした誤情報が独り歩きしてしまうのでしょうか。
背景には、日本のネット社会特有の「同世代スターの訃報による連想検索」と「アルゴリズムの歪み」が存在します。
第一に、実兄である希代の映画スター・萬屋錦之介(享年64)をはじめ、二代目中村歌昇、四代目中村時蔵といった兄弟がすでに他界している点が挙げられます。特に萬屋錦之介は重症筋無力症などの難病と闘った壮絶な人生が広く知られており、兄弟関係を検索するユーザーが「弟の中村嘉葎雄も病気なのではないか」と連想して検索を繰り返した履歴がサジェストに残ったと考えられます。
第二に、昭和の時代劇や映画界を牽引した共演者(田村高廣、緒形拳、津川雅彦など)が次々と鬼籍に入るなか、露出が少なくなった中村嘉葎雄に対しても「そういえば現在の体調はどうなのか」と安否を確かめる検索が定期的に集中するためです。大手報道各社や所属・関係先から重病や入院に関する発表が出た事実は一切なく、年齢相応の衰えはあるものの、健やかに日々を重ねています。